世界には、まだまだ難治の病気が多く存在し、疾患によっては高額の治療費や投薬による副作用に苦しんでいる患者様がおられます。それらの方々を救うために多くの医師、病院、製薬企業様など医療関係者が努力を積み重ねています。我々はそれらの医療関係者と共に育つ企業として起業しました。


医療の課題や患者様の苦しみを「優れた抗体作製技術」でも救うことができます。2002年、当時北海道大学遺伝子制御研究所長であった高田賢蔵氏と出会い、高田氏の研究成果、技術が事業として開花し薬になると、多くの患者様を救えると確信しました。われわれのような技術を核として立ち上げるベンチャーは「優れた技術」とそれを具現化する「優れた研究者」が必須条件です。イーベックには2つが揃っていました。その「技術」を「事業」とするために必要な「経営技術」を提供するためにこの素晴らしいプロジェクトに参画しました。「技術」を「事業」にしていくためには、資金、アライアンス戦略、交渉術など様々な経営資源や戦略が必要になり、その調達や提供がイーベックにおける私の役割です。
我々の事業目的は優れた薬を作製することです。しかし、薬の開発には膨大な資金とノウハウ、経験等が必要です。抗体を活用して医薬を開発する実力と知見を持つ優れた製薬企業様は世界中に存在します。そこで、イーベックは製薬企業の皆様に抗体医薬作製のパートナーと呼ばれる企業を目指しました。我々には優れた抗体を作製する技術があります。その技術を活かせる工程に特化し(つまり抗体医薬の素材メーカーとなり)、世界中の製薬企業様の役に立ちながら、目的とする「薬を世に出し患者様を救う」ことを目指すビジネスモデルとして、事業化に取り組んでおります。


また、2016年より、我々の抗体を診断用機器、検査用試薬などにも活用してもらうべく新たな活動を始めました。世界中で人の移動が激しくなる中、新興再興感染症も世界中に広がりを見せています。早期に正しい診断を行うことが感染の広がりをおさえ、一人一人の病気の把握につながり、治療効果をあげることにつながります。この重要な診断や検査用の抗体開発にも注力しております。

イーベックの技術進化は今後も続き、さらに大きな価値を世の中に提供できると信じております。世界には、新しい疾病や特効薬がない病気、既存薬の副作用によるQOLの悪化等に苦しむ方々も多くおられます。その患者様を救うのがイーベックの果たすべき貢献です。我々の技術が今後も「抗体」という成果物を生み、製薬企業様とのアライアンスによって世に出る価値を考えると、これからやるべきことはたくさんあります。
 

今後も多くの製薬企業様、医療機器メーカー様のパートナーとしての地位を確立していき、人口「70億人」を超えてきた地球の医薬に貢献し、世界を相手にしっかりと歩んでいきたいと思います。

1998年に北海道に移住して、小樽商科大学の大学院にて北海道経済について学び、域際収支の赤字額(北海道は他都府県・海外との取引額において大きな赤字を抱えているため、放置すると北海道民の暮らしは悪化する)の大きさに危機感を抱きました。北海道の将来のために北海道の技術を事業にしようというミッションを自らに課し、ヒューマン・キャピタル・マネジメントというインキュベーション企業を2002年に立ち上げました。北海道の将来を豊かにしたいと活動する中で、複数の大学の技術の素晴らしさに触れ、技術を事業に変えていく重要性と意義を認識しました。文系の私が医学系の先生方と一緒に活動する中で人の命を救うことや患者様のQOL改善にかかわることの喜びを感じ、大学技術の事業化に注力している中、高田氏と出会うことができました。高田氏の技術を多くの社員たちが「抗体」という素晴らしい成果物に変えてくれ、ベーリンガーインゲルハイム様、アステラス製薬様という素晴らしい製薬企業とアライアンスを結ぶことができました。残念ながら製薬企業様の戦略変更により一度開発がストップしてしまった案件もありますが、今新たなパートナーとともに「抗体医薬」を世に出す道を進んでおります。

技術系ベンチャーにとって不可欠なのは「技術力の高さ」です。イーベックには絶対条件である技術力があるからこそ活動を継続できたわけです。確かな技術を誇りにする日本において、バイオベンチャーを創り、世の中に貢献する仕事ができることをうれしく思います。北海道、そして日本から世界に向けて「診断から治療まで」我々の技術が多くの人を救えるように経営していきたいと思います。将来、病気が治って喜んでいる方を見て、「あの方の病気治癒に我々の力が役に立ったのだ」とこっそり喜ぶ日を夢見て、役職員、株主の方々をはじめ、多くのパートナーの皆様と共に価値創造を続けていきたいと思います。

代表取締役

 

ヒト末梢血材料に徹底的に拘る事

抗体作製技術は進歩した現在においては、目的の抗原に対する抗体を得ることはさほど難しい事ではなくなりました。ヒト由来の抗原に対しての抗体は、異種動物に感作した方が効率的に作製できることは明白です。そのため、マウスを用いた抗体作製が主流といえます。


また、抗体工学も進歩し、一つの抗原に対して抗体を網羅的に選択してくる技術や、抗体を組成しているアミノ酸を人工的に改変することで結合力の高い抗体を新たに作り出すことも可能となりました。このような技術の進歩と革新が溢れる中、当社は創業当初と変わらぬ「ヒト末梢血を材料とした抗体作製」に頑ななまでに拘っています。この拘りの背景には、ヒト材料から得られる抗体の十分すぎる“強み”が存在するのです。

★当社の作製する抗体は、

1.医薬品としての安全性の高さ

2.目的の抗原に対しての結合性の高さ

3.最近の特許技術を使用しないため、ロイヤリティの支払が不要

4.目的の抗原の感作が不要であるため、開発時間が短い

ヒトがヒトであり続けられる理由は「免疫」、つまり、抗体にある

ヒトの血液中には、一般に抗体医薬で用いられるIgG(イムノグロブリンG)の他に、IgM、IgA、IgD、IgEなどのサブタイプが存在しているのはご存知ですか?これらを総合した血中濃度は1ミリリットル中(血液の重さとして1円玉と同じ量)、十数ミリグラムにも及びます。この濃度は一般的な高タンパク質飲料(飲料350ml中にアミノ酸が数ミリグラムを想定)の実に1,000~2,000倍に相当します。このように、血液は非常に高濃度の抗体を含む液体である訳ですが、これらは体の栄養のために存在している訳ではありません。すべては、感染症などを引き起こす外部抗原に対しての生体防御(免疫)のために存在しています。


ヒトは、無菌状態である母親のお腹から産み落とされた後、病原菌を含む他生物が溢れる苛酷な環境で生きる宿命を負います。他生物に対抗する手段として体得するものが免疫であり、この免疫を体得するためには、抗原の摂取が必要不可欠となります。このことから、母親から譲り受けた免疫(抗体)がなくならないうちに、赤ちゃんは本能的に外部の抗原を得ようとします。何でも舐めてしまう行為がそれにあたります。このような外部抗原を接種する過程を繰り返した結果、成長したヒトには、生まれてから現在までの系譜というべき、様々な外部抗原に対する抗体のレパートリーが足並みを揃えて準備される事となります。つまり、免疫系においては、人生は抗原感作の時間でもあり、常に体が外部抗原と闘えるように抗体を準備することが、本能的にプログラミングされているのです。


ここまでの話で、ヒトの免疫系を知っていただけましたでしょうか。当社はこのヒトにある抗体をそっくりそのまま得ることを非常に得意としています。このことから、根本的にヒト抗体は、クリーンな環境で飼育されているマウスとそこから得られる抗体とは素性が全く異なるという事を納得していただけると思います。